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【実録】ゲイカップル、結婚指輪を買いに行く【ティファニー】

LGBTQ+

みなさん、こんにちは。大家好!一條心です。

台湾出身の旦那さんと連れ添ってかれこれ12年弱になります。僕が“単身赴任”で、シンガポールに来てしまってからは遠距離になってしまったので、12年のうち約半分程は離れて暮らしています。

今日はそんな僕たちの結婚指輪ティファニーにまつわるお話です。

注意報】これは、ただのノロケ話な予感がするよ!
しんクマ
しんクマ

いつから結婚してる“つもり”?

日本で暮らすゲイカップルには、結婚という選択肢がありません。じゃあ、いったいどういうタイミングで、二人の関係をカップル以上にコミットするのか?これは非常に微妙な課題です。

僕たちの場合は、一緒にマンションを買った時がそれにあたるかなと思います。彼に聞いてもても、「付き合った初日から結婚しているつもりだ」という彼の中での決り文句しか言いません。なので、二人の付き合いを振り返ってみて、お互いに大きなお金を出して、二人の共同名義の不動産売買契約書にサインしたときは、まるで婚姻届にサインするような気持ちになったのを覚えています。

余談ですが、新築マンションの内覧にいくと、誰が、どのような家族構成で暮らす計画なのか必ず聞かれます。僕と彼で2人で見学にいって、僕たち2人で買って住みますっていうと、「投資を兼ねたルームシェアですね!それでは、2ベッドルームが必要ですね」って返されました。「いえ1つで良いんです」って言い返すと、営業の方にはきょとんとされることが多かったですね。マンション購入にまつわるお話は別記事にありますので、興味あれば御覧ください。

そりゃ、マンション展示場の営業もゲイカップルの対応には慣れてないでしょうよ。
しんウサ
しんウサ

▶マイホーム購入についてのお話はこちら

 

そうだ、結婚指輪を買おう

さて、少し話が逸れましたが、結婚指輪を買おうと思ったのは、僕がシンガポールに単身赴任に行くと決めたことがきっかけです。離れて暮らす上で、二人の関係をコミットするものがほしいと(主に僕が駄々をこねて)結婚指輪を買うことにしました。

結婚指輪のブランドについては、これといった目星がなかったので、まずは主要な結婚指輪ブランドを調査しました。それこそグーグルで「結婚指輪×ブランド×格付け」みたいな検索方法です(笑)

蛇足ですが、当時、身近な知り合いがハリーウィンストンの特注品の婚約指輪(巨大なダイヤがついてるやつ)を買ってたいたのですが、その時にハリーウィンストンが高級ブランドだとしって驚愕しました・・・。

そりゃ、ハリーウィンストンには手が出ねぇわな
しんロウ
しんロウ

ティファニーを選んだ理由

最終的にティファニーにしたのですが、ティファニーが候補に上がった最初にきっかけは、他ブランドに先駆けて、ゲイカップル向けのブライダルリングの広告を大々的に打ち出していたことがあります。そう、この段落の見出し画像です!カッコいいですよね。

時は2015年夏、アメリカではちょうど6月26日に、合衆国最高裁判所が「法の下の平等」を定めた「アメリカ合衆国憲法修正第14条」を根拠にアメリカ合衆国の全ての州での同性結婚を容認する判決を下したことにより、同性婚が実現、コミュニティが非常に盛り上がっているところでした。

ティファニーはその判決から更に半年前の2014年末頃からブライダルリング(婚約・結婚指輪)にゲイカップルを起用したキャンペーンを大々的に行っていました。今では、多様な家族のあり方を尊重して、各社から様々なキャンペーンが行われています。ティファニーはそれを早い段階で他社に先駆けて行ったという点において、コミュニティからのロイヤリティ獲得に成功したと思います。少なくとも僕たちは実際に結婚指輪買いましたので、効果はあったと言えるでしょう。

そんなこんなで、一次調査の段階で、ティファニーが気になりつつも、大きな買い物なので、メジャーなブライダルリングのお店を彼と一緒に見て回ることにしました。

 

しんロウ
しんロウ
社会的に賛否のある議題に関して起業が表立ってメッセージを打ち出すことは、経営方針に関わる重大なことだね。それを一番最初にやるということは簡単でないよ!

「どちらのお客様が購入をご検討されていますか?」

僕たちが結婚指輪を買ったのは2015年です。二人で銀座周辺のブライダルリングを扱うお店を順番に回って指輪を物色していました。

突然ですが、みなさん、男二人でブライダルコーナーへ行くと、大抵の店員さんは何て声をかけると思いますか?当時、僕たちはティファニー銀座本店以外の全てのお店で、このような対応をされました。

 

「どちらのお客様が購入をご検討されていますか?」

 

そう、ブライダルコーナーに立つ店員さんは男二人で買いに来ると、どちらかが結婚・プロポーズを予定していて、その男友達が付き添いで来てると思う(勝手に推測する)んです。そもそも男二人でブライダルコーナーに行くことも、自体ハードル高めなのです。そのうえ開口一番に「どっちが買おうとしてるの?」と聞かれてしまうと、いや「ぼくたち二人の指輪を買いに来たんですけど」って言い返しづらいですよね。

普段行かないお店の初対面の店員さんにカミングアウトする気は起きませんし、しかも一日で何店舗も回ってるのに毎回カミングアウトする気には到底なれない!最初からそのような前提ありきで話をされると、当然気持ちは盛り上がらず、カタログだけもらって退散を何店舗も繰り返しました。

しんウサ
しんウサ
これは2015年当時の銀座エリアでの体験だね。今はもっと顧客の素性を勝手に推測しない、ニュートラルな接客スタイルに改善されているといいのだけど。

ティファニー銀座本店の心地よい対応

そんな中、ティファニーだけは違いました。当時のゲイカップル向けのブライダル商品の広告もアメリカ市場向けのものだったので、日本ではあまり力入れてないだろうなと期待していませんでしたが、おそらくそのキャンペーンとは関係なく単に対応が良かったのです。

当時、対応してくれたのはベテラン風の女性スタッフでしたが、まず冒頭に「どちらが買うの?」といった類のこちらの素性を確認するような質問はせずに、僕たち両方に対して接客(商品紹介)を始めてくれましたそしていくつか見せてもらって、試着をお願いした時にも

「お二人のサイズはおいくつですか?」

 という、(どちらかが買うのか、二人で買うのかを断定しない)ニュートラルな聞き方をしてくれたのです。その後も、自然な流れで最後まで案内され、とても心地よい接客でした。振り返ってみて、やっぱり意識せずに上手な接客(地雷を踏まない、不快にさせない会話)は難しいと思います。担当してくれた銀座本店のスタッフの方は、専門の研修を既に受けていたか、ご本人がよく理解されて接客されていたのかのどちらかでしょう。

商品受け取り時にも同じ方に対応いただき、「ブライダル商品をお買い上げのお客様に記念撮影のサービスを行っています。お写真撮られますか」と、結婚記念の写真撮影まで案内してくれました。

写真撮影は個別の対応だったから、恥かしくなかったみたいだよ!
しんクマ
しんクマ

すごく恥ずかしかったのですが、僕たち二人を結婚する男女のカップルと全く同等に扱ってもらえたことが嬉しかったです。写真撮影は別のスタッフの方が担当されていて、後から聞いたのですが、同性カップルでブライダル商品の記念撮影をする人は初めてだったということと、同性カップルの場合はブライダルリングではなく、ファッションリングを購入する方が多いということでした。同性カップルでブライダルコーナーは行きづらいですかね。

結婚指輪を買って意気揚々と家族に、ティファニーで結婚指輪買ってきたよ!とティファニーの対応が良かった話をしたら、母親からは「店員さんの対応より、普通に男二人でブライダルコーナーに買いに行くあなた達の勇気にびっくりするわ」と言われました。勇気を振り絞らなくても、同性カップルも躊躇なく自然にブライダルコーナーに直行できる時代に早くなってほしいものです。

しんクマ
しんクマ
逆に、僕たちが気にし過ぎなだけかもしれないね。

今はもう当時から6年ほど経っていますので、他のブランドの接客も変わっているかもしれません。むしろ変わっていてくれてることを祈るのですが、当時素敵な思い出づくりを手伝ってくれたティファニー銀座本店にお礼を兼ねて記事にさせていただきました。

 

▶【2021年5月追記】ティファニーから男性向け、エンゲージリングの新シリーズが発売されました!

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