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【超切実】同性婚できない国際カップルが抱えるビザ問題とは

LGBTQ+

大家好!一條心です。

僕は台湾出身の旦那さんがいるゲイです。

今日は、同性婚できない国際カップルが抱える“ビザ問題”について解説します。

クレジットのカードのビザじゃないですよ、外国人の在留許可のことです。

 

しんロウ
しんロウ
こりゃちょっと重ための話題だぞ

▶合わせて読みたい『同性婚が実現した台湾で、僕は台湾人の彼と結婚できる?』

 

 

同性国際カップルのビザ問題とは?

それは意図せぬ形で一緒に暮らせなくなるリスクが常にあることです。

国際カップルが一緒に同じ国で暮らすには、常にビザ(在留許可)の問題がついてまわります。例えば日本籍と台湾籍の同性カップルの場合、2021年5月現在、日本でも台湾でも結婚できません。したがって、男女カップルが結婚することで取得できる配偶者ビザの選択肢がありません。

2人でどちらかの国で長期的に暮らそうとする場合、多くの場合”就労ビザ”しか選択肢がありません。健康状態や、職歴など、条件が揃って仕事を続けられているうちは大きな問題になりません。しかし、仕事がなくなった途端に在留許可が剥奪されるリスクがあるというのは、社会保障が一切ない国で暮らすようなもので、精神的な負担はとても大きいです。

もちろん、就労ビザを一定期間継続できれば、国によっては永住権が取得できる場合もあるでしょう。ただし結婚できる男女のカップルである場合は、結婚しようと決めた瞬間に、少なくとも“就労状況”が理由で一緒に暮らせなくなるようなことにはなりません。同性国際カップルには配偶者ビザという選択肢が無いのです。

このような家族としての基本的な社会保障が受けられないのは、同性婚ができないことによって起こる大きな不利益と言えるね。
しんウサ
しんウサ

僕と彼はどうしていたか?

僕と旦那さんは東京で出会いました。彼は働いていたので、就労ビザで滞在していました。少し昔話になりますが、彼がちょうどリーマンショックのときに転職活動をしていて、なかなか仕事が決まらなかった時は、彼が台湾に帰らなければいけなくなるかもしれないと不安な思いをしたものです。僕がシンガポールに仕事で赴任することになったと時も、他の駐在家族のように彼を配偶者ビザで連れて行くという選択肢がありませんでした。もちろん、彼にシンガポールで仕事を探してもらって一緒に暮らすことも考えましたが、僕の赴任の任期も明確でなかったので結局単身赴任という形になりました。日系企業の海外駐在手当の一つに別居手当というものがあります。家族を日本に残してくる場合、生活費(主に住居費まわり)が二重にかかるのでそれを補填するための手当で、当然結婚できない僕たち利用できない不公平な制度でした。

海外の同性婚カップルが日本に暮らす場合

ちょうどニュースが出ていたので引用します。

米英といった同性婚制度の導入国で結婚した外国人同士の同性カップルの一方が、転勤などで日本で暮らす際、入管当局が、配偶者には在留資格「特定活動」を与え、入国を認めたケースが、2013~20年に少なくとも93件あったことが26日、分かった。出入国在留管理庁が件数を初めて集計し、明らかにした。「特定活動」は、個々の外国人の事情に応じて許可できる資格。世界で同性婚を認める国が増えたことを考慮し、政府は13年、カップルそろっての日本居住を可能にした(共同通信より)

 

2013年から日本は、同性婚をしている外国人同士の家族には配偶者ビザではなく「特定活動」という形で在留資格を付与してきました。しかしこれは外国人同士の同性カップルにしか認められず、どちらかが日本人の場合には適用されていません。例えばアメリカ人と日本人のカップルが、アメリカで同性婚して、日本に2人で暮らしたい場合、アメリカ人配偶者にこの在留資格は付与されません。

外国人同士あれば使えるのに、どちらかが日本人だと使えない。国民より、外国人により大きな権利を与えるという重大な矛盾を抱えた運用です。この運用が続く限りは、仮に台湾で先行して法改正があり、僕が台湾で彼と結婚できるようになっても、僕が彼を日本に配偶者として滞在させることができません。

“人道的な理由”で外国人カップルにはこの特別活動の在留許可が発行されていますが、日本人にはその人としての道が認められないということでしょうか。

(2021年5月追記)不平等運用解消に向けて、ようやく動きが?

2021年5月17日の読売新聞の報道で、政府がこの不平等運用解消にむけて検討を始めたとのことです。

政府は、同性婚が認められている外国で日本人と結婚した外国人同性パートナーに、日本での在留資格を認める方向で検討に入った。日本人が帰国した場合、パートナーに「特定活動」の在留資格を付与することを検討している。同性婚を認める国が増え、運用改善を求める声が出ていた。(読売新聞より引用)

 

在留資格は法務省管轄の出入国在留管理庁が掌握しています。法修正を行わずに法務省がどのように解釈の拡大などできるのか、具体的な検討はこれからのようですが、早期解決を説に望まれます。(もちろん同性婚が実現すれば、少なくとも日本で暮らす場合においては全ての問題が解決します)

 

 

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