今日は台湾で新しく始まった外国人向けのビザ制度「就業ゴールドカード」の発行実績について詳しく分析していきます。尚、データは台湾の政府機関である中華民國國家發展委員會が公式に発表している数値とグラフを引用します。
先に「就業ゴールドカード」の概要を知りたいという方は下記の記事から読んでね。
▶こんな方へ
2.台湾で起業やフリーランスなど自由な働き方を検討したい方
3.台湾重点政策として始まった当制度の発行実績を知りたい方
▶台湾のビザ全般の記事を読みたい方はこちら
累計発行数
台湾の就業ゴールドカードの累計発行数は2018年2月から2024年3月末までの累計で9,664件。
2020年下期から発行スピードが大幅に上がっています。
理由としては下記のようなことが考えられるよ!
2.コロナ抑制に成功した台湾で過ごしたいという人が増えた
3.コロナ対策でビザ免除や他ビザが利用できなくなり、代替案として取得する人が増えた
4.政府が発行数目標を掲げており、在台外国人に対して積極的に就業ゴールドカードへの切替を推奨した
分野別発行数内訳
同2018年2月から2023年12月末までの累計8,962件の分野別内訳は、多い順に経済(48.8%)、ハイテク(19.5%)、教育(12.9%)。圧倒的に経済分野が多いことが分かります、逆にスポーツはたったの6名しかいません。
経済分野が圧倒的に多い理由は、その取得条件の一つに『直近3年間の月収が16万台湾ドル(約62万円)以上』という項目があり、この基準で取得している人が多いからと考えられます。必要書類としては、源泉徴収などの収入証明書及び経歴を証明する履歴書等で、月収基準さえクリアしていれば比較的簡単に用意できそうです。
又、台湾政府がどの程度厳しく審査しているのかは、審査当局の指し加減によるものが大きそうです。例えば、グローバル企業で管理職をしているなどの実績があれば、必ずしも月収基準をクリアしていなくても応募自体は可能なようです。
それ以外にも、台湾が国家政策として注力している分野、例えば半導体、情報技術、グリーンエネルギー関連の技術者であれば当然審査を合格しやすくなるでしょう。
だから、ごく一部の限られた人のための制度というイメージができたんだ。でも実際に内訳を見てみると、経済分野が圧倒的に多いね。
国籍別発行数内訳
同2018年2月から2023年12月末までの累計8,962件の国籍別内訳は、米国(27%)、香港(12%)、日本(7%)、英国(6%)、インド(6%)となっている。
アメリカ人が多い理由として下記のことが考えられます。
2.IT系起業など給与水準が高く、経済分野の月給16万ドル以上をクリアしやすい
4.YOUTUBE創業者の台湾系アメリカ人が取得して話題になるなど認知度が高い
国別×分野別分布
アメリカד経済”が圧倒的に多いことから、給与水準の高いアメリカに住んでいる台湾系アメリカ人が台湾に住むための手段としてゴールドカードを取得していることが推測されます。
年齢×性別分布
男女別では、8割強が男性。年齢構成は30−40代が高くなっっています。やはり経済分野での申請に占める男性比率が高いと言えそうです。
2022年末までの1万件発行目標は未達
台湾の内閣である行政院は、2022年度までにこの“就業ゴールドカード取得者”と従来の“外國特定專業人才”の合計で、2021年3月時点の4千人強から一気に1万人にまで拡大させる目標を掲げていましたが未達に終わっています。ただし2024年3月末時点で9千人超となっており、着実に増えています。
コメント