ようやく動き出した東京都
東京都に同性パートナーシップ制度を求める請願が、都議会本会議で6月7日、全会一致で趣旨採択されました。これは今年3月に、LGBTQの当事者団体らが、要望書&1万8000の署名を都に提出していたものです。都議会本会議に出席した小池都知事も「当事者の実態調査の結果をふまえて検討を進めていきたい」と述べました。
日本で同性カップルは結婚ができない。
しかし自治体が「同性パートナーシップ制度」を創設することで、同性カップルの関係が公的に認められ、一部の権利を保障することができる。制度を導入することで、性的マイノリティ当事者の人権の尊重が図られ、多様な性に関する都民の理解も進むという効果が期待ができます。
五輪開催都市TOKYO、どうして周回遅れの対応?
話題に事欠かない東京五輪。オリンピック憲章では「オリンピズムの根本原則」の第6項で、「性的指向」などの理由による「 いかなる種類の差別も受けることなく」と、こうした差別を明確に禁止しています。
都内では12の市区が同性パートナーシップ制度を導入していますが、東京都レベルでは導入がされていません。日本全国をみてみると、自治体レベルではすでに100以上が導入しており、人口カバー率も3割を超えています。茨城県、大阪府、群馬県等、都道府県レベルで導入済みの府県もあります。オリンピックの開催都市である東京都、開催が一年遅れた2021年になっても日本内においても遅れた状態にあるのは、残念としか言いようがありません。
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紛糾するLGBT理解増進法
今、国会では自民党が「LGBT理解増進法案」の今国会での提出を断念しようとしたことを巡り、LGBTQの権利をめぐる議論が紛糾しています。いや、ただしくは国会で議論するかどうかの前段階で紛糾していて、国会での議論すらされていない状況です。
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国の法整備が停滞している中、上記の通り、地方自治体のパートナーシップ制度の人口カバー率は3割を超えています。今回の都議会の採択や、福岡県・古賀市がファミリーシップ制度の導入方針を表明するなど、自治体レベルでの性的マイノリティの権利擁護は着実に進んでいます。
日本の首都、東京。
オリンピック開催都市、東京。
東京都のパートナーシップ制度検討の動きは始まったばかり、導入時期なども全くの未定です。遅々として動かない国会への起爆剤となりうるこの議題を今後も注視していきます。
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