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【今さら聞けない】 日本の同性婚の現状 【パートナーシップとは違うの?】

LGBTQ+

2021年5月現在、日本では同性婚ができません。

現行の民法は結婚が男女を前提として規定されているため、同性婚はできないという解釈が一般的で、残念ながら、法律上同性どうしの2人が婚姻届を出しても受理してもらえません。

僕は台湾出身の旦那さんと11年以上の付き合いになりますが、法律上は未だに赤の他人です。関係の重さを時間で図ることはできないとは思いますが、この11年の中で、兄弟や周囲の友人たちが素敵なパートナーに出会い次々結婚していく姿を傍で祝福しながら、なんで異性愛者は出会ってすぐにでも結婚できるのに、僕たちにはその選択肢がないんだろうとやるせない気持ちになります。

同性パートナーシップ制度は結婚とは違うの?

違います。地方自治体のパートナーシップ制度は国が民法で定める結婚と違い、法的効力がありません。渋谷区と認定NPO法人虹色ダイバーシティの調べでは、2020年12月末時点で各地方自治体のパートナーシップの人口カバー率は全国で33%を超え、実際に登録しているカップルは1,500組超となっており、2015年に東京渋谷区・世田谷区で始まったこの動きは急速に全国に広まっています。大阪府や栃木県など、都道府県レベルで導入されている例や、また都道府県を跨いで登録できるようにする仕組みの検討も活発に行われています。

法的な効力はないものの、行政が公に同性パートナーの支援が必要であると認めることの意義は大きいです。海外の先行事例をみても、同性婚実現までの過程において世論形成は非常に大事で、このパートナーシップ制度が急速に広まっている状況をみると日本で同性婚を受け入れる素地が整いつつあるのだと感じます。あいにく、この数年間海外に住んでいたので実際にパートナーシップ制度を利用することはできなかったのですが、この数年間の変化の速さには眼を見張るものがあります。

同性婚合法化にむけた動きは?

法律上の同性婚の実現については、2019年2月14日に性別を問わず結婚ができるようになるよう「結婚の自由をすべての人に」訴訟始まり、札幌、東京、名古屋、大阪の裁判所で一斉に提訴された後、2019年9月には福岡の裁判所でも始まっています。Marriage for All Japanという一般財団法人が設立され裁判が始まったときには、いよいよ日本でも(数年にわたる長期戦になる)最終決戦が始まったと胸が熱くなったのを覚えています。

現在、5つの地方裁判所で審議が進んでいますが、最も進捗の早い札幌で3月17日に日本で初めての司法による判決がでます。勝訴となった場合も、国側は控訴するでしょうから、まだ戦いが続きますが、数多くの団体や企業が一体となり世論を巻き込みながら裁判を進めていますので、期待は持てます。裁判の最新状況や、一人ひとりができるサポート方法については、Marriage for All Japanのサイトを御覧ください。僕はささやかながら、月1000円の活動資金を寄付するマンスリーサポータをやっています。

海外の同性婚はどうなってるの?

2001年に世界で初めてオランダで同性婚が実現したのを皮切りに、2013年にイギリス、フランス、2015年にアメリカ、2017年にドイツ、オーストラリア、2019年にはオーストラリア、台湾で同性婚が可能になりました。現在G7で国レベルの同性パートナーへの法的保障がないのは日本だけになっています。一方で、世界を見渡してみると、同性間の関係を違法とみなす法律がある国も多く残っており、国によっては禁固刑や死刑が適応されます。私がこの5年強くらしていたシンガポールも、男性間の性行為は違法とされており、法制度としては男性同性愛者にとって厳しいものになっています。アジアでは唯一台湾のみが同性婚が実現しています。

同性婚が実現した台湾で結婚すればいいのでは?

と思われた方がいるかもしれません。台湾の同性婚については次の記事でお話します!

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