【台湾】バラ少年、葉永鋕が切り開いたジェンダー平等への道【知ってほしい】

LGBTQ+

大家好!皆さん、こんにちは。一條心です。
本日、4月20日は台湾の薔薇少年こと葉永鋕(Yeh Yung-Chih)21回忌です。21年前の2000年4月20日、この日起きた葉永鋕事件のことをご存知でしょうか。台湾では、この葉永鋕事件を契機に、性別平等教育(ジェンダー平等教育)2004年から導入され、2019年にはアジアで初めて同性婚の合法化を実現しました。21年経った今でも、毎年この4月20日には、台湾では多くの人が葉永鋕少年とジェンダー平等のために戦ってきた人たちに思いを馳せます。

日本の皆さんにも知ってほしい台湾の少年がいます。

葉永鋕事件、それは中学校でのいじめから始まった

21年が経った。
葉永鋕が生きていたら、もう30代も半ばだ。

2000年、中学3年生だったバラ少年こと葉永鋕は、その(周囲からは女性っぽいと揶揄された)特徴を理由に同級生からイジメを受けていた。4月20日11時42分、葉永鋕は人が少ない授業中を見計らってトイレに席を立ったが、後に血まみれで倒れているところを発見され、死亡が確認された。

この葉永鋕事件をきっかけに、当時の「両性平等教育法」を法改正し、2004年に「性別平等教育法」が成立。この事件は台湾のジェンダー平等意識向上につながった。もう二度と誰かの命が失われるのを見たくない。

同性婚が実現して2年が経つ、葉永鋕事件から21年だ。しかし、学校から職場、社会に至るまで、依然として差別や偏見は無くなっていない。台湾は多様性に富んだ民主国家であり、より多くの愛と理解で、この土地の平等を推進することを願う。(台湾の彩虹平權他平台のFacebook記事を和訳)

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多くの人が声をあげる意義を理解している台湾の強さ

 台湾人は総じて政治や社会活動への参画する意欲が高いです。これは近代に入ってから民衆化した経緯や台湾自体が置かれている微妙な国際的地位もあいまって、一人ひとりが声をあげること、政治に声を届けることの大切さを理解しています。政治や社会的な課題に関して、表立って異なる意見をぶつけ合うことが好まれない風土の日本では想像しにくいかもしれませんが、台湾は政治家だけでなく芸能人や個人も、はっきりと自分の立場を示すことが求められます。例えば同性婚の議論が盛り上がっていたとして、それに対して何もコメントしない場合、ファンや支持者を失うことに直接的に繋がります。

例えば、葉永鋕事件、毎年彼の命日であるこの日には政治家や芸能人、インフルエンサーに至るまで、多くの人が見解を出します。2019年には、C-POPの歌姫、蔡依林(Jolin)が『玫瑰少年(バラ少年)』という曲で金曲奨(台湾のレコード大賞)で最優秀曲賞を受賞しています。ちょうど受賞が、同性婚が実現する5月であったこともあり、少し商業的に感じる人もいるかも知れませんが、“ジェンダー平等を強く推進する歌手である”というイメージを強く付与させることに成功しています。これは、逆に言うとジェンダー平等に消極的な層のファンをなくすことに繋がりますが、国民の多くがその社会課題に対して問題意識を持っている場合、どっちつかずな態度をとることは、全てのコアファン(中国語で鐵粉)を失うことに繋がります。同じことは政治に対しても起こりますので、国全体で民主主義をより高いレベルで体現しているのが今の台湾と言えそうですね

▶蔡依林 『玫瑰少年』Music Clip
日本語字幕有り。歌詞が素晴らしいです。

▶葉永鋕事件のドキュメンタリー番組(英語字幕有) 
こちらもJolinのコンサートに合わせて作成された番組です。僕は先のMusic Clipと合わせて、定期的に見返すのですが、何度見ても涙なしでは見れません。これがどのようなメッセージに聞こえるかは、受け手次第だと思うのですが、考えることを喚起させる力の強さ、これこそアーティストの本業なのかなと感じます。

戦いはまだまだ続く

ジェンダー平等において、日本よりは何歩も先をいく台湾ですが、平等法の施行や同性婚実現はゴールではありません。社会の中にある差別の根は何十年経ってもも根絶されていませんし、いつでも次の葉永鋕事件のような悲劇が起こる可能性があります。でもそんな悲劇を起こさないように、行動し続ける人たちが台湾には多くいます。日本はどうでしょう?

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