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『僕がスカートをはく理由』ジェンダーレス制服の今

LGBTQ+

みなさん、こんにちは!一條心です。
「僕がスカートをはく理由」というNHKのWEB特集をみかけました。
僕の甥も今年中学入学で制服買いに行ってたし、最近の学校の制服事情は自分たちの時代からは変わったのかな?と疑問に思い調べてみました。

僕がスカートをはく理由

NHKの特集は、多様性を尊重し制服を自由に選択できるようにした広島県の県立加計高校の取り組みと、実際にスカートをはいて投稿する男子生徒と園は母親へ、周囲の同級生へのインタビューで構成されています。
(テレビ放送は18日(日)の「おはよう日本」午前7時台、だそうです)

「加計高校はLGBTの視点を取り入れ、制服をリニューアル。男女ともに、パンツ/スカート/ネクタイ/リボンの選択・組み合わせ自由。“選べること”を大切にします」と校内ポスターでも謳っています。

ジェンダーレス制服ってなに?

なんでも今どきっぽく呼べば良いってものでもないですが、これはいわゆる制服のジェンダーレス化ジェンダーレス制服に対する取り組みですね。ジェンダーレス制服とは、特定の制服デザインのことを指すのではなく、男子用や女子用といった性差を感じさせない制服、もしくはそれを自由に選択できる制度の総称です。

一連の動きを遡ると2015年に文科省が発表した資料「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、 児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について」が学校関係者の認知が広まるきっかけとなりました。2018年には千葉県の公立高校で制服を自由に選べる制度が始まったことが大きくメディアに取り上げられ、話題となりました。

学生服大手のトンボによると、最も導入事例が多いのは女子用スラックスで、導入数は2018年に370校、2019年に450校、2020年に750校、2021年に1,000校強に達しているそうだ。女子用スラックス以外には、ブルゾン風のジャケットを男女兼用デザインにして自由に選択できるようにするなどの取り組みがあるようです。

女子用スラックスは僕が学生だった頃には既に、近所の学校でも導入事例があり、実際に履いている生徒もいました。これは当初は多様性を尊重するという目的ではなく、スカートの不便さと体調を配慮したことによって始まったものと思います。男子のスカート着用例は、制度としては選択可能になっていたとしても、着用に対する精神的ハードルは相当に高いと思います。それこそNHKがわざわざ特集するレベルに難しいということですね。

ジェンダーレス制服の課題は?

自由に選べる制服制度は、トランスジェンダーの当事者だけでなく、伝統的な「男性らしさ・女性らしさ」の性差を強調することに違和感を感じる人や、身体的な理由でスカートを履きたくない、セーラー服を着たくない人等、多くの人にとってメリットがあるものです。全員がそれぞれの理由で自分が最も心地よい制服を自由に選べるということが大事です。

逆にその制服を選択することに理由が必要な場合、(例えば女子生徒が女子用スラックスを着用するのに学校の申請や許可が必要な場合)、それは強制的に何かしらの個人的理由を強制的にカミングアウトさせることになりますので配慮が必要です。制服の自由化をLGBTへの配慮したつもりで、大々的に“ジェンダーレス制服”と打ち出すことも、当事者にとってはありがた迷惑になる恐れがあります。その制服を選択する=LGBT当事者であるという認識が広まると、その制服を着用する=カミングアウトとなってしまい、逆に利用する精神的ハードルをあげてしまいます。

制度はとしてはLGBTに配慮した形で設計するが、「性的多様性への配慮」と打ち出すのではなく、コミュニケーションとしては利便性(防寒やコンプレックス解消等)を訴えるほうが適切かもしれません。中高生のLGBT当事者は、自分のアイデンティティに不安や迷いを抱えて悩んでいる場合がほとんどです。当事者の立場に寄り添った制度設計と運営が広まるといいですね。

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