【よくある】ゲイだけど質問ある? 【まとめて答える10の問い】

LGBTQ+

ゲイだけど質問ある?

大家好!一條心です。僕は、シンガポールに住んでいる日本人のゲイで、台湾出身の旦那さんがいます。ブログでもアイデンティティカミングアウトに悩む日記を書かれている学生さんをよくお見かけします。セクシャルマイノリティ当事者も、身近な家族も、心の整理をつけるのには相応の時間がかかるものです。気遣ってあげたいんだけど、どういう言葉をかけてあげればいいのか分からないという方もいるかもしれません。参考になるかわかりませんが、今日私がよく聞かれてきた10の質問に答えていきます。

1.ゲイは生まれつき?

遺伝子レベルの分析には諸説あるようです。はっきり言えることは、「自分の意志で選択できるものではない」ということです。先日の同性婚訴訟の札幌地裁判決文にも、下記のようにありました。重要なのは生まれつきかどうかではなく、自分の意志で選択できるものではない、「嗜好ではなく指向」ということですね。趣味じゃないんです。

異性愛者と同性愛者の違いは、人の意志によって選択・変更し得ない性的指向の差異でしかなく、いかなる性的指向を有するものであっても、享有し得る法的利益に差異はない

2.いつ自分がゲイだと気づいたの?

僕は大学生一年生のときです。短期留学のために滞在していた台湾の大学でゲイ当事者に出会ったことをきっかけに、自分もゲイであると気づきました。当時19歳でしたが、19年も生きてきて、自分自身のこんな重要なことに気づかなかったことに対して、凄まじい衝撃を受けたのを鮮明に覚えています。それと同時に、それまで自分の人生にかかった漠然としたモヤが晴れたような気持ちになって、あぁ、僕の人生やっと始まったのかな、と感じました。学校で性的指向に多様性があるなんて学んだ覚えがないし、周囲にもゲイがいなかったので、本当に台湾に行くまできっかけが無かったんです。

3.女性になりたいの?

 女性になりたいとは思っていません。この質問はトリッキーなので、よほど親しい間柄でない限り、気軽に聞かないほうがいいです。まずジェンダー・アイデンティティには、3つの性があることをご存知ですか。①カラダの性②ココロの性③好きになる性の3つです。私はカラダの性が男性で、ココロの性も男性、好きになる性も男性ということでゲイです。女性になりたいと感じる方は①カラダの性が男性でで且つ②心の性が女性の方で、それはゲイではなくトランスジェンダーです。よくわかんない!という方は、こちらの電通の調査記事の中にあるセクシュアリティマップをみて勉強してください。

4.男女両方の気持ちがわかる?

 女性じゃないのでわかるわけない、が答えです。ゲイは”カラダの性が男性、ココロの性も男性、好きになる性も男性”であって、女性の要素がありません。もし僕に対して女性的な視点を持っていると感じるのであれば、それはゲイだからではなく僕個人の特性です。セクシャルマイノリティに限らず、マイノリティとしての悩みを経験している方は、そうでない方よりいろんな考え方/価値観に対しての共感力が高い傾向はあるかもしれませんね。

5.カミングアウトしてる?

してます。オープンリーゲイです。家族にも、友人にも、職場でも上司も同僚も親しい人は全員僕がゲイであることを知っています。わざわざ話して回る話でもないので、きっかけがなければ自分から話したりはしませんが、初対面でも話の流れで、パートナーが男性である(ゲイだ)という話をすることにも抵抗がありません。もちろん相手次第で、プライベートなことを話したくないと思う人であればわざわざ話しません。これはセクシャリティと関係のない一般的な対人関係と同じ話ですね。もちろん、最初からこういうメンタリティであったわけなく、19歳でゲイと気づいて、これまで生きてて、色んな経験の積み重ねでこうなっています。急いでカミングアウトするべきとも思いませんし、それぞれの置かれた環境と価値観に応じて、カミングアウトする、しないは自分に決定権があるものです。

6.アウティングされたことある?

 ないです。アウティングとは、自分の意図に反して、セクシャリティを他人から暴露されることです。大学に入ってから自分がゲイだと気づきましたが、大学生時代は親しい人としか付き合う必要がなかったのでアウティングの心配はありませんでした。職場でのカミングアウトについては、慎重に関係を見極めて段階を踏みながら少しずつしていったので、思いの外、自分が意図しない形で人から人に伝わるようなことはありませんでした。(と自分では思っていたのですが、私の親しい会社の同僚は周りから僕がゲイかどうかをこっそり聞かれたりしていたようです。。。)会社員なので、定期的に上司が変わりますよね。上司を味方につけておくと何かと都合が良いことが多いので、私は上司が変わるたびに半年程度の信頼関係構築期間を経てからカミングアウトするようにしています。幸いにもこれまで嫌な反応をされたことはなかったですし、性的指向や同性のパートナーがいることを上司に知っておいてもらえると、なにかと良きに計らってもらえることが多く、ずいぶんと助けられました。

7.うちの会社に他にもゲイいる?

これはゲイダー(自分がゲイだと他人がゲイかどうかも見分けられる察知能力)のことですが、そんなことを聞かれて、例え心当たりが会ったとしても、おいそれと答えられません。それこそアウティングになりかねません。もし会社でゲイの同僚と仲良くなっても、うちの会社に他にもゲイいるの?なんて聞かないようにしましょう、とても失礼です。ゲイダーについて簡単にコメントしておくと、ある程度はゲイダーはありますので、確信に至るにはエビデンスが必要ですが(アプリやバーで目撃など)、ある程度の検討は付けられるものと思います。

8. 子供できないのに結婚したいの?

子供をつくることだけが結婚の意義ではないので、愚問です。子供がいない夫婦にとっても失礼なですので、もし軽はずみで聞いてしまったなら、深く反省されたほうがいいです。

9.ゲイでよかったことある?

 たくさんあります。まずゲイにはゲイのコミュニテイがありますので、普通に生活してると知り合えいないような、年代・職業・国籍が異なる人と簡単に知り合えたりします。飲み屋であったり、出会い系のアプリであったり形は様々ですが、”ゲイ”という共通点だけで知り合うきっかけになったりします。もちろん仲良くなるかは人次第ですが、きっかけの多さは大きなメリットだと思います。とても国際的なコミュニティで、旅行好き、異文化交流好きな方も多いですね。あとは今の旦那さんに知りあえたことです。ストレート(異性愛者)だったら出会えなかったですね。

10.生まれ変わってもゲイになりたい?

 どっちでいいです。もしゲイにならなかったとしても、今の人生でゲイだから学ぶことができたような多様性を受け入れる、尊重する考え方は身につけたいですね。

さて、今回はゲイに関する一般的な質問が多かったので、興味ある方がいれば、次回はもっとマニアックな質問でパート2、パート3を書きたいと思います。今後も、LGBTQ、同性婚、日台夫夫の生活などを中心に書いていこうと思っていますので、よければフォローしていただけると嬉しいです。

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